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だるくて甘ったるいピンクのキャンディーなめた。
口に含んで転がして、
気温が体温に勝る夜。
カーテン閉めて、熱いコーヒー淹れて、こいよ、
わがままたくさん言うから、これから、
ひとつだけ聞いてやる、
お前のも、
機械の音は苦手だし、虫の声も聞きたくないし、
どうせ熱くて溶けてんなら、お前とがいい、お前とがいい、
なんてな、冗談さ。
甘ったるいピンクのキャンディー、頬ばった、新しく、言葉をもらさないために。
甘味、むせかえる衝動、
虐げてきた感情と一緒に飲み込んで、
ここで、黙って、
側にいる、
お前と、
今を。
溶けてく、甘味で頭がジンジンする、嫌いだよ。
戯れ、夜、
側にいたから、お前でいいや、
それ以上を望むって? 言っただろ、聞き入れるわがままは一つだけだ、
このキャンディー、溶けてしまえばそれすら反故にするつもり。
「それだけで」、熱にやられた脳から引き出される言葉。
溶ければ消える、
回答、
ひとつだけ、
ひとつだけを、
言葉を変えるために使いたい、言い直すだけ、
ああ、そう、残念だったな、
言葉は詰まって出てこないし、発するつもりももう無いし、
わがままたくさん言うって言ったろ、
さあ、ひとつだけ、かなえてやるよ。
残りのキャンディ-「欲しい」、そうか。
聞き入れた、
さしだした、
受け取った、
言葉を潰す為に、
互いのやり取りはこれで意味を成さないし、
お前はわがまま、叶って、
僕は満足を得て、
少し悔いた。
ほんとうは、らんぼうにでも、つまったキャンディー、はきださせてほしかった。
夏の夜の熱なんて、本当、たいしたものじゃあないよ、
虚飾を理性を打ち消して、
胸の下の熱、暴くこともできない、
身体の、事実の重さだけ、ただ、走らせるだけ。
戯れ、手に入れた、甘ったるい、口に、含んだ、転がした、嫌いだよ、溶けてく、頬ばった、ジンジンする、
形は、消えた、
甘味、匂い、風を断った部屋、
熱い、コーヒー、お前が、淹れた、
だるくて、甘ったるい、
気温が体温に勝る夜。
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