くるしいなあ
くるしいなあ
僕は誰だっけ
思いだせねんだ
とろとろ形がなくなって
衣服だけ僕の記憶全て
足元に落ちる影
ブクブクおおきい
醜い体液がそれをぬらす
まわる断片
眠っちゃだめだ
全て夢になっちまう
こわい
こわいよお

おいでおいで

とおくからひびく
おそろしいこえ

僕のカンテラ見えるかい

別の方から
灯がともる
それはただまっすぐな光
道を照らす
正しい光
そうだこれについていくのだ
行こう

くるしそうだね
呪いをといてあげる

醜い容姿に
一瞬　
されど　慈愛を持って
触れたくちびる

ああ僕は
ようやくお伽噺から
抜け出せたんだ
正しい光　ともに歩くよ
あなたは迷いなき瞳で
道を照らす

光はやがてあの声の方へ
響く声　ああ甘い
僕はこの音になぜ怯えていたのか
僕の名を呼ぶ
正しい存在




「おはよう蛙男」







呪いをとくのは悪魔のくちづけ




こうして男は
心も全て
蛙に変わって
しまいました